ハイヤン台風は2013年11月に発生し、フィリピンの主にレイテ州東部で約7,000人の死者が生じた。このような巨大台風がレイテ州を直撃する事態は前代未聞であり、国内外において、世界的な気候変動の影響が疑われている。台風が農村経済と環境に及ぼした主な影響は、ココナツ栽培樹木と森林樹木への深刻な被害であった。未曽有の被害を被ったココナツ農家の多くは、農業活動を放棄し、都市への移住を含む農外就労に従事して生計を維持してきた。さらに、土壌侵食、地滑り、淡水供給の減少、生物多様性の喪失といった環境問題も発生した。これらの農村問題に取り組むために、単作ココナツ栽培に慣れ親しんだ台風被災農家に対するアグロフォレストリー転換と植林活動を通じた生物多様性保護に基づく気候変動対策を提案する。
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